台湾歯周病学会でポスター発表してきました!
日本歯周病学会専門医の高橋淳一です。
ありがたいことに最近は歯周病に関する発表をする機会を多くいただいています。
福岡での九州支部発表に始まり、6月には大阪で年次大会という全国大会で発表させていただいたことは以前ご報告させていただきました。
その後、日本臨床歯周病学会理事長である木村英隆先生から直々にご指名を受け、10月に台中で行われた台湾歯周病学会に招待していただき、ポスター発表を英語で行ってきました!
私自身歯周病に関する発表自体は何度か経験がありましたが、英語での発表は初めてでしたのでとても緊張しました。
また、当然質疑応答も英語で行ったため、自分の英語力のなさを痛感致しましたが、親日国である台湾の先生方に優しくフォローしていただき、無事に終えることが出来ました!
学会終了後にはパーティーにも招待していただき、いろいろなお話もさせていただきました。
片言でも日本語が喋れる先生方が多かったため、とても楽しく過ごすことが出来ました!
歯周病に関する考え方は基本的に同じでしたが、やはり使っている材料が多少異なるため、台湾の先生方の治療方法もとても勉強になりました!
また、学会が終わった後は台湾の先生に台中の観光地を案内していただき、有名な夜市にも行ってきました。
台湾の文化に触れることもでき、とても有意義な時間を過ごせました!
また最終日に立ち寄った台湾のスーパーで口腔ケアグッズコーナーがありましたが、日本製のものが多く、日本語がそのまま書かれているものもあり驚きました。
日本製の歯ブラシを台湾の方々にも使っていただけていると思うと嬉しいです。
来年は台湾歯周病学会と日本臨床歯周病学会の交流が始まって20周年ということで、さらに大規模な大会が台北で行われるとのことでした。
その記念大会にお誘い頂いたので、ぜひまた参加したいと思います!
第42回日本臨床歯周病学会年次大会で発表してきました!
先日大阪国際会議場で行われた第42回日本臨床歯周病学会年次大会でポスター発表をしてきましたのでご報告させて頂きます。
日本臨床歯周病学会は主に歯周病に関する勉強をする学会です。
1年に2回全国各地で支部会が開催され、そこで選ばれた先生たちが年次大会という全国大会で発表を行っています。
昨年私も九州支部会で発表する機会をいただき、ポスター発表を行いました!
テーマは「広汎型侵襲性歯周炎患者に歯周組織再生療法を行った1症例」です。
30歳という若い年齢にも関わらず歯周病が進行し、骨がなくなってしまっていた方に対して歯周組織再生療法を行い、歯周病を治療した過程を発表させていただきました。
その結果有難いことに九州代表の一人に選出されましたので、今年大阪で行われた第42回日本臨床歯周病学会年次大会で発表させて頂きました。
土曜日の朝から発表するため、当日は診療をお休みさせていただき、患者様やスタッフにはご迷惑をおかけしましたが、おかげさまで無事に発表を終えることができました!
約3千人の先生や衛生士などの歯科関係者が集まる場で発表することはとても緊張しましたが、多くの先生方とも意見交換ができ私自身もとても勉強になりました。
最後は日本臨床歯周病学会理事長の木村英隆先生とも記念写真を撮っていただきました。ありがとうございました。
また、今回の発表を論文にまとめる依頼をうけましたので、今年中に論文の執筆も行う予定です。
新しい知識や材料に関しても今回の学会で学べましたので、日々の臨床に取り入れて患者様に還元していきたいと思います。
歯周病や虫歯で歯がボロボロになってしまった方へ
今回は虫歯や歯周病で歯がボロボロになってしまった時の治療について書きたいと思います。
大人の歯は全部で28〜32本あります。また、虫歯や歯周病が進行すると痛みが出ますが、そのまま薬などを飲んでやり過ごしているとある日突然痛くなくなることがあります。
しかしそれは治ったのではなく、神経が死んだり、膿が出ることで痛みが引いただけで、根本的な解決にはなっていません。
歯の怖いところは、自然には治らないこと、他にもたくさん歯があるので2〜3本なくなっても噛めること、進行が遅いので本人も徐々に慣れてしまうことなどが挙げられます。
しかし、いよいよ前歯だけになったりして噛めなくなってから歯医者さんに行っても取れる手段は限られます。
そのため、なるべく早く受診していただきたいのですが、日常生活で忙しく、なかなか治療に通えなかった方も多いと思いますので、今回は他の歯医者さんでもう手遅れと言われてしまったような場合の治療について取り上げます。
当院ではなるべくご自分の歯で噛んでいただきたいため、なるべく抜かない治療を心がけていますが、抜かないとどうしようもない状態があるのも事実です。
そのため、どうしても抜かないといけない歯は抜歯して、それ以外の歯をできるだけ残す、という方向で治療を行います。
①保険の入れ歯で治療
最初の方は奥歯は虫歯で根っこだけの状態、残りの前歯も虫歯が進行し、黒く透けて見える状態でした。
この場合、根っこだけの歯は抜歯して残りの歯は虫歯の治療をしてなんとか保存し、保険の入れ歯を入れて奥歯で噛めるようにしています。
入れ歯は初めてでしたが、奥歯で物が噛めるようになったため喜んでいただき、今の所残りの歯も機能しています。
②ノンメタルクラスプデンチャー(保険外)で治療
しかし、全て保険診療ですと入れ歯の金具がどうしても見えてしまいます。
次の方は奥歯が歯周病で骨がなくなり、噛めなくなってしまいました。
やはり奥歯は抜歯するしかなかったのですが、金具を使わない保険外の入れ歯を選択していただき、見た目も綺麗に噛めるようになっています!
③金属床義歯(保険外)で治療
最後に、男性の方は一般的に女性よりも噛む力が強く、ノンメタルクラスプデンチャーは全てプラスチック製のため男性には強度面でやや不安があります。
そこでオススメなのが薄い金属を補強に使い、違和感も少なく、しっかりと噛める金属床義歯です。
上の歯は歯周病が進行しすぎており、残すことができなかったため、一部抜歯をしてまずこのような仮の入れ歯を使っていただき、傷口が綺麗に治ってから金属床義歯を作成しました!
下の歯も重度歯周病でしたが、こちらは歯周病治療でなんとか保存しています。
さらに矯正やインプラントを用いればより綺麗に、よりしっかりと噛むことができますが、外科的侵襲を伴い、費用も高額にはなってしまいます。
このように重度の虫歯や歯周病になっても治療期間や費用を相談して取れる治療方法は様々です。
まずはこのような状態になった事情がそれぞれあると思いますので、お話を伺ってご希望を聞きながら治療プランを決定していきます。
また、このように包括的な全顎治療が必要になると一人の歯科医師ができる範囲にはどうしても限界があります。
単純な虫歯治療・歯周病治療に加えて、歯がないところに歯を作る補綴治療(ブリッジ・入れ歯・インプラントなど)、骨が溶けたところに骨を再生する歯周病の再生療法、噛み合わせや歯並びを改善する矯正治療・顎関節症の治療など様々な治療が必要です。
一人の歯科医師でもそれなりには治療できますが、当院では3人の常勤歯科医師と1人の非常勤歯科医師が連携することで全ての分野の治療を高いレベルで行うことが可能となります。
さらに、人間の力にも限界がありますが、当院では最先端の精密機器を多数導入しており、人間の力よりも機器の力の方が優れている分野には、積極的に精密機器を使用しています。
三次元立体画像撮影装置CT・歯科用顕微鏡マイクロスコープ・歯科用レーザー機器・2台の口腔内スキャナ・コンピューターが歯を作ってくれるCAD/CAMシステムなど多数の精密機器を取り揃えています。
やはり皆さんこのような状態になると歯の大切さを認識されるのですが、ここまで進行してからだとどうしても治療方法は限られます。そのため、早め早めの検診が必要です!!
当院では、その方に応じたできる限りの治療をいたします。歯のことが気になってきた方はご連絡ください!
092−807−3748
LINEからのお問い合わせも随時受け付けております!
壊死性潰瘍性歯周炎
一言で歯周病といっても、学術的には様々な種類の歯周病があります。
そのうち多くの方が罹患する歯周病は「慢性歯周炎」と呼ばれる歯周病です。
慢性歯周炎の特徴としては、痛みがなく数年〜十数年かけて徐々に進行し、痛みや歯の動揺などの症状が出たときは骨が溶けるなどかなり歯周病が進行しているケースがほとんどです。
そうなる前に、痛みなどの症状がなくても定期的に来院していただき、歯石取りをしていただきたいのですが、ごく稀に「壊死性潰瘍性歯周炎」と呼ばれる歯周病を発症する方がいらっしゃいます。
この歯周病は歯肉の壊死と潰瘍形成を特徴とする疾患で、歯肉の出血や疼痛、発熱、リンパ節の腫脹、悪臭などを伴います。
発症原因として、不良な口腔衛生状態、ストレス、喫煙、免疫不全などが考えられます。
また、HIV感染患者の口腔内所見として見られることもある疾患です。
通常の「慢性歯周炎」の方は歯磨きして出血をすることはあっても、痛くて磨けないことはほとんどありません。
一方「壊死性潰瘍性歯周炎」を発症した方は歯ブラシが歯茎に当たると痛く、歯磨きすることも困難になってしまいます。
そのため、「2〜3日前から歯磨きができないほど歯茎全体が痛いです」といって来院されます。
ここで注意しなければならないのが、「壊死性潰瘍性歯周炎」は通常の「慢性歯周炎」とは歯周病菌の種類が違うということです。
一般の歯医者さんに行くと、おそらく通常の抗生物質を処方されますが、「壊死性潰瘍性歯周炎」は歯周病菌の種類が違うため、効果が薄くなってしまいます。
しかし当院は歯周病専門医が常勤しておりますので、このようなごく稀に起こる「壊死性潰瘍性歯周炎」にも効果のある抗生物質を直ちに処方することができます。
3日間歯磨きができず、来院された際も痛くて歯石取りができなかったため、薬の処方のみ行なった患者さんです。
薬を飲んでいただいただけですが、初診から3日後の来院時には痛みは完全になくなっていました。
この「壊死性潰瘍性歯周炎」は約10年間歯周病治療に携わってきた私でも今まで5ケースしか診たことがないごく稀なケースです。
しかし当院ではこのようなごく稀な疾患にも迅速に対応できる体制を整えておりますので、歯茎に異常を感じられた際はご連絡ください。
歯石取りの違い
今回は歯医者さんに通ったことがある方なら誰でも経験のある、歯石取りについてお話しします。
食事をすると歯の周りに汚れが付くので、基本的には毎食後の歯磨きをお勧めしています。
毎日歯磨きしている方が多いとは思いますが、歯磨きしやすい部位としにくい部位があると思います。
歯磨きしにくい部位は必然的に汚れが残りやすくなり、時間が経つと歯石になり、簡単には取れなくなってしまいます。
歯石が付くとその周りにまた汚れが付着しやすくなり、そこで細菌が繁殖することで歯周病が進行したり口臭の原因となってしまいます。
一度付着した歯石は、歯ブラシでは除去できないため、歯医者さんでの歯石取りが必要になるのですが、実はこの歯石取りも技術が必要な仕事です。
法律上は資格を持った歯科医師・歯科衛生士であれば誰でも行えるのですが、歯周病が進行する程、歯石取りの難易度は上がっていきます。
この方は他院にて1ヶ月くらい前にSRPと呼ばれる歯周ポケットが深い部分の歯石取りを行なったものの、歯茎の腫れが治らず噛むと痛いため当院に来院されました。
お話を伺うと、歯石取りの際麻酔をせずに器具で歯茎の中をガリガリと削っていたとのことでした。
また、処置中痛みがあったので「痛い」と伝えると、それ以上は触られなかったとのことでした。
当院では、まず痛みがあり、歯の神経が壊死していたため、神経を除去しました。
その際に麻酔をして、歯周ポケットの深い部分に付着している歯石取り(SRP)を同時に行いました。
麻酔をしているため処置中の痛みは全くありませんし、超音波の器具を用いて短時間で効率よく歯石を取るため、麻酔が切れた後も痛みが出ることはありません。
かなり深い部分まで歯石が付着していましたが、一度の処置で神経の除去と歯石取りを終了させ、痛みや腫れはなくなりました。
歯周ポケットが深い部分の歯石取り(SRP)は保険診療で点数が決まっているため、どの病院で行っても支払う金額は同じです。
しかし、歯周病治療に力を入れている病院とそうでない病院では、同じ処置を行っても結果に差があります。
当院では歯周病専門医が衛生士さんに技術指導を行なっているため、全員一定以上の水準で歯石取りが行えますし、難しい症例は歯周病専門医が歯石取りを行います。
歯石取りをご希望の方は当院までお気軽にご連絡ください。